今週のテーマは「プロローグ」 - morimika's blog Forest Life

今週のテーマなのですが、2015年からは
毎週ショートストーリーにしてみようと思います。

ストーリーを読んで
ご自身へのメッセージを感じ取ってみてください。
たくさんある週、直球勝負のこれだ！という週
色々あると思います。

普通に解説したほうが
分かりやすいかもしれませんが
毎週書いていて
どうにも伝えきれなかった感が残ることもあって
別な方法でやってみることにしました。

うまく続けていけるか分かりませんが
全てご愛嬌でお願いします(笑)。

今週は、新しい年を迎える週ですが
まだ新年を迎えていないので
プロローグということにしました。

お楽しみ頂けましたら幸いです^ ^

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今週のテーマは「プロローグ」

チッチは先を急いでいた。
もう時間がない。
「（とにかく行かなくては）」。
気ばかりがあせって、なかなか前に進めない。

約束の時間が迫っていた。
大切な約束だ。

チッチはこの日を心待ちにしていた。
けれど怖くもあった。
準備も万端とは言えない。
元々何でも抱え込みやすいほうで、自分のための時間を作るのが下手なほうだ。
今日までだって、分かっているのに友達の長電話に付き合わされたり、母親の手伝いをしたり。
いつもならそれも楽しみのひとつだけれど、今回ばかりは日頃の自分の優柔不断さをうらめしく思ったりもした。

泣いても笑っても、時間は過ぎて行く。
「（今日の、ここまでの自分で出発するしかない！）」

心を決めて、飛び出したチッチだが、場所もはっきり分からない。
準備不足がこんなところにもたたってくる。

おぼろげな記憶で歩き続け、確かこの当りだと思う場所の側までやって来てはいるつもりだが、自信は持てない。
そんな訳で、さっきから同じ場所をぐるぐると回っている。
いや、チッチは真剣に場所を探しているのだが、これを誰かが遠くから見ていたとしたら、きっとそんなふうに見えるだろう。

実際、向こうの林の影で、チッチのその姿を見て、ほくそ笑む人物がいた。

（次回に続く）